当サイトでは基本的に競馬詐欺のニュースや手口について取り上げていますが、今回は新手の詐欺手口について取り上げたいと思います。4月のこの時期は、新しい土地で新生活を始めた方が多いので、それに比例し詐欺事件も多くなる傾向にあります。
ニセ探偵詐欺
競馬詐欺などのギャンブルに関する詐欺だけでなく、世の中には多くの詐欺手口がはびこっている昨今ですが、どんどん新しい手口が登場して来ています。そのため、上手い話だけど自分の知っている詐欺手口とは違うからと言って、相手のことを信じてはいけません。
今回取り上げる記事は漫画「クロサギ」などの原作を行なっている夏原武氏が新手の詐欺手口について書いていたので、そちらを取り上げたいと思います。新手の詐欺とは「ニセ探偵詐欺」と呼ばれるもので、探偵を装って相手を騙す手法です。
細江署は八日、詐欺の疑いで浜松市中区葵西二、自称建設業熊谷寿広容疑者（45）を再逮捕した。
再逮捕容疑では、市内の女性（31）に「あなたは盗撮されている」「流出のビデオを買い戻すためお金が必要」などとうそを言い、昨年二月から六月までの間に四百五万円と携帯電話一台をだましとったとされる。
同署によると、容疑を認めている。同容疑者は三月八日に市内の別の女性（37）に対する同様の容疑で逮捕された。
（中日新聞電子版 2013年4月9日）この事件は「ニセ探偵詐欺」とも呼ばれている。実際にはあり得ないことをネタに、相手を脅しているのが特徴だ。
http://www.nikkeibp.co.jp/article/sj/20130411/347252/?ST=safety
この詐欺は競馬などのギャンブル系詐欺のように儲け話を持ちかけるのとは違い、相手を脅して金を騙し取る手法です。そのため、本人はパニックになってしまい冷静な判断が出来ない可能性があります。
なぜ騙されるのか
では、なぜこのような根も葉もないような嘘を信じてしまうのでしょうか？その背景には現代のネット社会があるようです。
自分の知らない間に撮影されているのではないか、と思い込んでしまうだけのシステムが現代社会にはあるということだ。
スマートフォンだけではなく、ビデオカメラの小型化も進んでおり、一昔前ならスパイしか使えなかったのではと思わせるような、ボタン型カメラなども普通に購入することができてしまう。
また、撮影されたものを消すのが難しいことも現代の特徴だ。デジタル映像は簡単にコピーできてしまう。まして、ネットにでもアップされたのなら、永久に消すことは不可能だろう。
騙されるのには以上のような理由が挙げられるようです。この手の詐欺では、パソコンやネットにある程度知識のある若い方が標的になっているようです。また、他の理由としては、「今ならまだ間に合う、費用はかかるが削除できる」と急かされ、冷静な判断が出来ない状況に追い込まれていることが挙げられていました。もし、一度ネット上に上がってしまったら、簡単に削除することは出来ません。
対策は？
もしこのような電話がかかって来たら、どのように対処したら良いのでしょうか。
「警察がどこまでやってくれるか」が問題なのではなく、「警察に相談します」と相手に宣言し、またその行動を取ることに意味がある。相手は「警察は何もしてくれない」と言うだろうが、であったとしても、行くことが大切だ。
それに、その自称探偵は盗撮映像の持ち主を知っていると言うのだから、一緒に行ってもらうくらいのことを言わなくてはいけない。警察が怖ければ弁護士でもいいし、国民生活センターでもいい。おそらくは、それでしっぽを巻くだろう。
この対処法は「ニセ探偵詐欺」以外の脅し系の詐欺には有効な方法だと思われるので、覚えておくと良いでしょう。
最後に夏原氏は「優しい言葉」にも注意をするように警鐘を鳴らしていました。4月は新しい土地で生活を始めた人が多く、慣れない環境で不安を感じている人も多います。そのような人の優しさに飢えているような人を狙って、親切を装い、詐欺を働くケースもあるようです。どんなに親切にされてもお金の話には耳を貸さないようにしましょう。